横で、安らかな寝息をたてるカオを見つめる。

あのあと、結局一回では収まらず、二回、三回と付き合わせてしまった。

気絶したカオの身体を清め、ベッドに寝かせたのが、一時間前だ。

そっと髪を撫でる。
記憶をなくし、なくしているからこその好意に、つけこんだ私は最低だ。


…けれど、それでも、私はカオを愛しているし、それは一生何があっても揺らぐことのない事実だ。

「…許してください…カオ」

流れる涙と言葉は、何に対してのものなのか、リヒト自身も解らなかった。