「カオ?朝ですよ。起きてください。」
朝の爽やかな空気が部屋に入り込んでくる。
小鳥の楽しそうな囀りが、今朝は苛つく。
夕べは、あれから眠れなかった。
重たい頭を持ち上げると、いつものリヒトさんの笑顔が近くにあった。
「顔色が悪いですね?大丈夫ですか?」
心配そうなリヒトさん。
でも、もし、シェルと繋がりがあるのならば…これは、お芝居かも、しれない。
渦巻く疑惑は、止めどなく拡がる。今では、身体中を支配してしまっている。
「…大丈夫…です。」
顔を見れず、俯いたまま答える。
そんな、いつもと違う私にリヒトさんは怪訝なようで。
「カオ、どうかしたんですか?」
「リヒトさんはっ……」
こんなグルグルした、気持ち悪い感情が堪らなく嫌で、思わず訊ねてみようとした。
―シェルと、どんな関係か
と。
だけど、玄関からのピンポーン、という音に阻まれてしまう。
「何ですか?カオ」
構わず、私の話を聞いてくれようとしたけれど。
もう、勢いを削がれてしまって、聞く勇気は、ない。
「…何でもない……」
もはや、私に続ける気がないと知ったリヒトさんは、溜め息一つ残して、来客の待つ玄関へ向かった。
朝の爽やかな空気が部屋に入り込んでくる。
小鳥の楽しそうな囀りが、今朝は苛つく。
夕べは、あれから眠れなかった。
重たい頭を持ち上げると、いつものリヒトさんの笑顔が近くにあった。
「顔色が悪いですね?大丈夫ですか?」
心配そうなリヒトさん。
でも、もし、シェルと繋がりがあるのならば…これは、お芝居かも、しれない。
渦巻く疑惑は、止めどなく拡がる。今では、身体中を支配してしまっている。
「…大丈夫…です。」
顔を見れず、俯いたまま答える。
そんな、いつもと違う私にリヒトさんは怪訝なようで。
「カオ、どうかしたんですか?」
「リヒトさんはっ……」
こんなグルグルした、気持ち悪い感情が堪らなく嫌で、思わず訊ねてみようとした。
―シェルと、どんな関係か
と。
だけど、玄関からのピンポーン、という音に阻まれてしまう。
「何ですか?カオ」
構わず、私の話を聞いてくれようとしたけれど。
もう、勢いを削がれてしまって、聞く勇気は、ない。
「…何でもない……」
もはや、私に続ける気がないと知ったリヒトさんは、溜め息一つ残して、来客の待つ玄関へ向かった。