「あーっ!いいなぁ、祐也ぁ…どこで知り合ったんだよ、こんな可愛い子。お前、妹いなかっただろ?」



「だろ?可愛いよ、こいつ」


そういいながら祐也さんがまとわりつく友達をはらい、私の手を引く。




「皆先に戻っといて。俺は後から戻るわ」

「あのっ、祐也さん!これ!!」



ぐいぐい引っ張っていく祐也さんは少しイラついてるようで、私は恐る恐る聞いた。




「あ…」



私の手にある封筒を見て足を止めた。




「ありがとう」


祐也さんはさっきのイラつきがなくなったのか、優しい手つきで私の手からそれを受けとる。






そして…



投げた。



封筒は鋭く空を切って、うるさかった男の人の手に落ちる。



「それ、あれに必要なやつだから。後よろしく〜」


「ちょ…祐也、絶対戻ってこいよー!」



「当たり前でしょー」



私のすぐ横で背を向けながら言い、歩き出す祐也さん。


私は手を繋がれたままなのに気付き、少し下を向きながら時々祐也さんを盗み見た。




祐也さん…

学校ではこんな感じなんだ…







いつもとどこか違う雰囲気にときめいた。