私が逆にビックリしてしまった。


もしかして、嫌がってる?




《いいの…?迷子とか…》



「な、ならない!!」


とっさに大声を出してしまった。



迷子を心配されてただけじゃん!


なんかフクザツ…。







するとクスクスと笑う声が聞こえてきた。


《じゃあお願いしていい?》


「う、うん!」




単純な私はめったに祐也さんの役に立つことがないから、嬉しくなった。




祐也さんに頼られるの初めてかも!!




《クスクス…じゃあ、よろしくね、未裕》



「はーい」




それから電話を切り、私は慌てて出掛ける用意をした。



大学に行くんだし、大学で過ごしてる祐也さんに会えるんだし、可愛い格好していきたい…。






しばらくして用意ができた私は、急いで家を飛び出した。



確か、こっちだよね…大学



あやふやにケータイで地図を見ながら辿っていく。



すると大きな建物が見えた。




あ!あれだ!

将華大学!!!





見つけれた嬉しさで私は自然と早足になった。



すると向こうの方からこっちに手を振っている人がいる。




…誰だろ?




よく目を凝らして見ると、祐也さんだったことに気づく。




ゆ、祐也さん!?



足取りがだんだん速くなり、しまいに走りながら祐也さんに近づいた。




「走ったら転けるよー?」



いつものキラキラ笑顔で出迎えてくれる。