それから1ヶ月後。

あたし達が別れたという噂は学校中に流れた。




「七実〜っ。もうやだ。疲れた〜。」


机にうなだれるあたし。


『はは〜。噂って怖いね。』


七実はそんなあたしを哀れんだ目で見ている。




噂が流れてからというもの、噂は本当なのかと1日何回も聞かれ、中には理由までしつこく聞いてくる無神経なやつもいる。


「あたし達が別れるのがそんな珍しいこと〜?」


『そりゃあね。苗達が別れるなんて誰も想像してなかったでしょ。』


「…こっちは傷心中なのにさあ…。」



…あ。

やばい。泣きそう…。



あれから、あたしは宏人を一回も見ていない。


とゆうか、あたしが宏人がいそうな所を避けてるだけなんだけど。



忘れよう…。

忘れなきゃ…。


毎日そう自分に言い聞かせている。



自分が決めたことなんだから…。


だけど

あんなに長い間一緒にいた人を
すぐに忘れることは難しかった。



『よしっ。』


七実があたしの肩をポンッと叩いた。


『今日放課後どっか寄ろう。七実様が君の愚痴を聞いてやろう!』


「まじっ!聞いてくれるっ?」


『おう。任せろ〜』