「……ごめんね……。」


小刻みに震える宏人の肩。


「……別れるなんて…言って………ごめん。」


「……あたし…だって…宏人いなきゃだめなくせに……」

あたしがそう言いかけた時、宏人は勢いよくあたしを抱きしめた。



『……本気で言ってる?』


「本気だよ…?」


宏人はあたしの肩に頭をうずめた。


『…俺……ずっと…ずっと……お前がいなくなってから…怖かった…。』


「うん。」


『ずっと…お前のことばっか考えて……。』


「…うん。」


涙が溢れてきた。

宏人が愛しくて愛しくて愛しくて……。



『泣くなよ〜…』


宏人は涙だらけの顔で笑う。


「……っ。宏人に言われたくないーっ」


『…っ…俺はいーのっ』


「泣き虫〜〜……痛…っ」


宏人はあたしの頬をつねった。



「痛い〜!」


宏人を軽く睨む。


その時、急に宏人の顔が近づいてきた。


『……え…っ?………ひろ…』


『キス…していい?』


唇ギリギリのところで宏人はそう聞いた。


宏人の息が吹きかかる。

あたしは小さく頷いた。


宏人の顔が近づく。



唇が重なった。




唇を離し、見つめ合うあたし達。


『…もう一生離さない。』


そう言って宏人はあたしをまた抱きしめた。



やっと
やっと……

帰ってきたんだ。


「宏人………?」


あたしの


『ん?』


「……大好き…だよ………?」







   世界一大切な人の所へ









     -End-