「……ってバカ。あたし何考えてんの……。」


もう宏人はあたしの彼氏じゃないの。


忘れるって決めたんだから。


宏人にはもう新しい大事な人がいるかもしれないんだし。



「…………。」


そう思うと、胸の辺りが苦しくなった。



「………………ーっ…。」


あたしはそんな思いを消すようにガシガシと頭をかいた。





ポロ…ッ

「……あっ」

そのせいで右耳につけていたイヤリングがベッドの下に転がってしまった。


「………わっ…お気に入りなのにぃ〜。」


あたしはベッドの下に手を入れ、イヤリングを探す。



ゴソゴソ……。

……ん?


何だこれ…?


何か本のような物が手に当たった。



………何の本だろ?


あたしはそれを引っ張り出した。


…雑誌だ。


その雑誌は開きっぱなしになっていた。


何読んでたんだろ…?


あたしはその雑誌に目をやった。




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