そんなくだらない話をしていると先生らしき人がこちらへ向かって走ってきている。

「佐藤様~」

と言いながら。
中年のきっもいバーコードハゲの…。

朝っぱらから頑張って横のわずか生き残った髪をもちあげ、ワックスで固めたのであろう。


そんな先生を見て笑うことが得意な二人は今にもふきだしそうな声を頑張って堪えていた。



でもそんな努力も虚しいまま、
次の瞬間強い風がふいた。
その風で、ハゲまるだしのバーコード頭の髪は一瞬宙をういた。
そして、上のハゲの部分がまる出しになった。

二人は思わずふきだし笑いだすのを必死に堪え口を手で抑えている。
その先生はびっくりし、急いで髪を元の位置へ戻す。



先生は迷った。
このまま知らないふりをしてしらをきり通すか…
「見た?」
と聞いて黙っててもらうようにお願いして、この三人に怯えながら三年間生き苦しく過ごすか。






悩んだ。悩んだ……