「じぃ。ここでいいですわァ~」

みずきは、今、車を運転している人に
話かける。


その人は、みずきの身の回りの世話をしたり
勉強を見たりしている。
まぁ、いわゆる執事だ。

その人は、優しそうな顔をした50代くらいのおじいさんで、みんなからは、
「じぃ」
と呼ばれている。


じぃはみずきに言われ、
「はい、わかりました。」
と返事をかえす。



車が止まったのは、校門の目の前だった。
登校していた人々はみんないきなり止まった車にびっくりする。


その車はいかにも高級そうな黒塗のベンツで
登校してきた人々は珍しそうに指をさしては、「すげ~」
とか言っている。


すると車の中からじぃが出てきた。
その手には真っ赤色のくるくるに巻いた布を持って。

人々は何をするのだろう、と不思議に見ていた
じぃは、手に持っていた布を転がして
うまいぐあいに車から玄関まで綺麗に敷いて。
赤のじゅうたんの一本道ができあがった。
その行動に人々は、そんなあほな。と言わんばかりに驚いている。
じぃは、後部席のドアを丁寧に開け
「いってらっしゃいませ。お嬢様」
と言う。
すると、中から出てきたのは真っピンクのフリフリのドレスを着たみずきであった。
みずきの髪は茶色でくるくるのお嬢様ヘアーで
リボンをつけ、指には本物のでっかい宝石の指輪と首にも本物の宝石をつけてやってきた。

その格好に人々は黙りきってしまった。
笑いたいのは山々だがみずきの後ろからでてきたごついボディガードみたいなのにびびって笑えないのだろう。


ボディガードは全部で二人いる。
真ん中にみずき、両脇にボディガードの二人が立っている。



あら?みなさん固まってどうしたのかしら?
何かあったのかしら?


そんなことを考えていた。