“弟”の立場を守りたい
と言っておきながら


こんな事を思ってしまう俺は


弟失格だ──



「・・・・翼・・・??」


“不安”という光が
灯っている心優の瞳が俺を捉える



俺は心優の唇に
自分の唇を静かに近付けた



重なるまであと



──3cm・・・



俺はキスしたい衝動を押さえ込み



強く額をぶつけた


ゴツンっ!!


鈍い音が部屋に響いた



「痛ったぃ・・・」



心優は額を撫でながら俺を軽く睨む



「もうちょっと寝てろよ。バーカ」



俺は言い残し部屋を出た



くそッ!!

俺は壁に拳を打ち付けた





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