…無言だった。
渡辺くんが告白してくれてる時も顔、見せてくれなかったし。

…まさか嘘!?
その場を乗り切るための…とか!?
うわっ、本気で返事しちゃったよぉ…!?


また涙が溢れてくる。
チラッと指の隙間から渡辺くんを見たら…


『え…?』

真っ赤…??

「み、見るな馬鹿っ!!」

手を顔で押されたけどその手を掴んでずらした。


『渡辺くん、真っ赤!!』

「お前もだろ!」

『…お前?』

「う…」

『告白の時は「美鈴ッ!」

…可愛い!!!!
顔、真っ赤にするから虐めたくなっちゃったじゃん…。


『あは、ごめんね…?』

「…」

返事の代わりに、ギュッと抱き締められた。
あぁ、嘘じゃなかったんだ―…



『渡辺くん…』

「姉貴に、礼を言う日が来るとは…」

『麻紀さん?』