私のお礼を聞いた後、渡辺くんは気まずそうに目を泳がせてから…作業に戻った。
『…私も手伝うね!』
クスッと笑って取り掛かると渡辺くんは驚いたように止めてきた
「いや、いい。外は暗い。今なら菅先輩が待ってるだろう。」
『菅ちんには先に帰っててって言ったから!
あ、シャツ脱いで?とりあえず洗ってみる!』
「…家まで、送るからな。」
はぁ、と眉間に皺を寄せて呟いた渡辺くん
迷惑を掛けているとは思ったが、パァアッと気分が明るくなった気がする
だって、どんな形にしろ居ていいって行ってくれてるんだから!
『うんっ!』
満面の笑みで渡辺くんのシャツを受け取り、廊下全部の電気を付けてから水道まで走った
「…はぁ。調子が狂うな…。俺らしくもない…」