「お~い。片瀬~!」
「う~ん……」
2月の後半ってあったかいから思わず眠くなっちゃう。
まぁ…現に、居眠りして、担任に頭をペチペチと叩かれてるんだけど。
「俺様の授業はそんなにつまらないかぁ~」
「うん…つまんない。だから帰りたいよ…」
24歳の担任の先生。
17歳の私達と歳が近いだけあって、みんな敬語を使わない。
もちろん私も。
先生はそれでいいって言うから、みんな直そうとしないんだ。
「私、日本史嫌いだし。」
「じゃあ何で選択してんだよ」
「みんなそうだから」
「お前らしいな。まぁいいや。一応、起きたから。さーて!授業始めんぞ~」
担任の名前は野沢和哉。
通称“かず君”
かず君は「はははっ」
と笑ってまた授業に戻った。
24歳独身。
これがモテるんだよね。
若いし、かっこいいし、優しいから。
そんなかず君は、授業の終わりにいつも私の所に来て、先輩のことを聞いてくるんだ。
かず君は、私が先輩を好きなこと、知ってるから…