ドキドキがさっきよりも大きい。




私はギュ~ッと瞼に力を込めた。




「詩織、好きだよ」



「わっ!」




耳元で、先輩がそんなことを言うから、私は驚いて目を開けてしまった。




すると、突然、目の前には先輩の綺麗な顔。




「……」



唇に柔らかい感触。




それが、先輩の唇だということに気付くのには



それほど時間はかからなかった。




「…信じた?」



唇が離されると、先輩はクククッと笑って私の頭を撫でた。




私は必死に首を縦に何回も振った。





「っ~~…やったぁ~!!詩織は俺の彼女だぁ~!!」



「先輩!?ちょっと…静かに!!」



「あ、学校か…あはは」


「ふふ…」




私と先輩は二人で笑い合った。