「先輩…嫌なの…。先輩がいなくなっちゃうのは…嫌なの……」
止まらない涙。
私…諦められるまでとか決めたけど、やっぱり無理だよ。
「……っ…先輩が好きです。好きなんです。だから……っ…」
全部話す前に、先輩に言葉を遮られた。
先輩が…私…を……
抱き締めてる…?
「…先輩…?」
ドキドキが…半端じゃない。
顔も、熱い…
「せん…」
「詩織」
また、私の言葉を遮る先輩。
「…俺はいなくならないよ。卒業しただけ。いなくならないから…だから、こうして詩織を抱き締めることだってできるよ」
「……っ…先輩…」
私…ね?
先輩が卒業することは、先輩がこの世界からいなくなっちゃう気がしてたの。
だから…
だからね?
「先輩……私…」
「うん」
「先輩のことが大好きです」
「…うん」
「だから、私にこのボタンをください」