去年の2月14日。
バレンタイン…ーー
私は、放課後の誰もいなくなった学校の食堂で
一人、ポツンとイスに座って先輩を待っていた。
昨日メールをして、ちゃんと返事も帰ってきたけど……
「来てくれるかな……」
私は、足をブラブラしながら一つ、ため息をついた。
窓から差し込む夕日の光が眩しい。
今日、先輩はたしか……
部活だ。
メールの返事は確かにきたけど、部活だから……
来ないかも。
あぁ…そうだったら私泣く。
もう…6時まで待って先輩が来なかったら帰ろう。
私はもう一度ため息をついて、顔を両手で覆った。
その時だった。
バンッーー!!
「遅れてごめん!!」
突然、食堂のドアが開いて、ハァハァと息を切らせた先輩がそこには立っていた。
しかも、練習着姿。
その練習着の全体が、土で汚れていた。