卒業式の練習が終わって、私は肩を揉みながら友達と体育館を出た。
そのまま教室に向かうはずだったのに……
「…あ!詩織!」
「……先輩…」
体育館の出口に、先に退場したはずの奏先輩が立っていた。
「詩織、行ってきなよ!」
友達に背中を押され、突っ立っていた私は、奏先輩の前へ。
「え…ちょ…」
「じゃあね~詩織~」
女の子ってこういう時は本領発揮するというか…
「友達、大丈夫?」
「え!あ!はいっ!大丈夫です!!」
ヤバい…
こんな会話だけで、緊張してる…
「あのさ…」
「はい…」
「今日の帰り、一緒に帰らない?」
「…はい………え?」
え…い…今何て言った!?
「本当!?じゃあ玄関で待ってるよ!じゃあまた!」
「え…あ…」
何が…起こった?
一緒に…
「…帰る……」
帰る……
「…一緒にっ!?」