「もーらいっ」
「あ゛っ!!!」
かず君は私がかず君を睨んでいる間に、もう一つ残っている卵焼きをひょいとつまんで口に運んだ。
「最悪!!最低!!やっぱり先生なんて思わないし!」
「うるへー!!…お!お前んちの卵焼きうめぇ!」
「お母さんの愛情がこもってますから」
私は、ふんっとかず君にして、今度はミートボールを食べた。
「あーあ!明日でテスト終わりだなぁ~…明日テスト終わったら何だったけ?岡田?」
かず君は私の目の前で、おかずを食べる沙也香にケタケタと笑いながら問い掛けた。
「え?明日テスト終わったら……」
沙也香はそこまで言いかけて、私の方をチラッと見た。
「かず君の意地悪」
私は食べ終わったお弁当箱を片付けながらかず君を睨み付けた。
「まっ!せいぜい頑張って~」
かず君はそう言うと、何事もなかったかのように去って行った。
「っ~~!!バカァーー!」
去って行くかず君の背中に私は、大声で叫んだ。