かず君は、先生というか……
友達みたいな感じだ。
しかも、“親友”
「かず君もさぁ、人の心配ばかりしてないで…自分のこともしっかりしなよ」
「あぁ!?んなのいいの!!生徒は心配いりません」
「先生なんて思ってません!」
「いくつ離れてると思ってんだ。バーカ!!」
「生徒に言うことじゃないでしょー!?」
私はベーッとして、かず君に背を向けた。
「お?帰んのか?」
「……うん。テスト勉強しなきゃ。この土日は勝負だからね!!」
「赤点取らないようにしろよ~」
かず君は嫌みったらしく私に言った。
そんな嫌みも、きっとかず君の頑張れという意味なんだ。
「先輩も頑張れって言ってくれたから、赤点なんて取らないよ!!」
私はクスクスと笑って背を向けたばかりなのに、かず君の方にくるっと振り向いた。
「ふふっ…。ありがとう!“先生”」
私はわざと『先生』を強調して、ヒラヒラと手を振り、走って教室を出た。