「バカだなお前。来週テスト終わったら卒業式の練習だ。だから、保坂も来るはず……ククッ」



そう言ってかず君は笑う。



来週…テスト終わったら……




「…卒業式の練習の次の日は…?」



私はか細い声で言った。



そんな私を、沙也香は優しく抱きしめてくれた。



「卒業式の練習の次の日は、本当の卒業式だよ。」



かず君の言葉で、グサッと、私の心に何かが刺さった。




と、同時に、涙腺が緩くなり


ドッと涙が溢れてきた。



「っ……ぅ…嫌だ…」



「詩織…」



沙也香は、泣きじゃくる私が周りから見えないようにしてくれて…



かず君もかず君で、こんな時ばかり優しくて……



「早く帰って勉強しろー」



なんて言って、生徒を教室から早く出そうとしてくれている。



うぅ……



余計に泣けてくる。