『卒業』



の二文字が、こんなにも私の心を押し潰す。




こんなに、人を好きになったことがない私だから、尚更苦しい。




帰りのホームルームで、かず君が話してたことも分からないくらいに




悩んだ。





「詩織~!!」



ホームルームが終わって、沙也香が迎えに来た。



「あ…そっか……部活行かなきゃだね…」



「へ?部活?」



「うん」




私はふぁ~とあくびをしながら頷いた。



すると、沙也香は不思議そうな顔をして私を眺めた。




「バ~カ!来週からテストだから、部活はないって言っただろ~?」



パシッと学級日誌で頭を叩かれ、少し痛かったので見上げると



唇を尖らせた、かず君がいた。




私達の会話を聞いていたのか、不機嫌そうな顔をしている。




「いったいなぁ~!!」



「お前が俺様の話を聞かないからだ」



「いいでしょ?別に。かず君の話、長いんだもん!!」



「そんなこと言ってないで、早く保坂にメールしろ!!」



「はぁ?」



なぜ今!?