「蒼空、好きだ」



「あたしも好き」



あたし達は微笑んで、抱き合った。



そして離れて、あたし達は笑顔で別れた。




好きだった。

本当に。


でも、ダメだった。


理由はわからない。


慶のこと、最後までわからなかった。



それでも、確かに好きだったということはわかった。



最後に。

振り返ってもいいよね?



あたしはゆっくり振り返った。


…あぁ。

彼も振り返っていた。



また微笑んで、今度こそ前を向いて歩いた。



見上げると、空がいつもより青くて白い雲がなかった。

太陽が輝いていた。





【完】


空色パレット