「散歩しながら話さないか?」


「はい」



あたし達は、適当に歩いた。


「飯、ちゃんと食ってるか?」



「大丈夫ですよ」



「そうか?またコンビニ弁当とかじゃ…」



「大丈夫っ」



あたしは精一杯の笑顔を見せた。
笹河も笑った。



「…蒼空」



「笹河さん。あたし、もうすぐ両親と一緒に旅をすることになったんです」



「え…?」



「だから、また会うことはないと思うんです。今日、それを言おうと…」



唇が震えた。
それでも、笑顔でいようと頑張った。



「今まで、ありがとうございました」



本当にありがとう。