「蒼空…」


「苦しいんです。笹河さん…」



笹河は、何もかも諦めたような顔をした。




そして。




さっきよりも驚くような話を…した。




「…蒼空。悪い…あの約束なかったことにしてくれ」



「…は?」




約束…なかったことに?

『待っててくれ』『俺も好きだ』『誰からも認められるような』



あたしが崩れていく気がした。



目の前が真っ暗に。

なんて、なればいいのに。



「悪い…」



小さくつぶやく笹河を、あたしはただ見つめることしかできなかった。