言い訳できるような空気じゃない。

今まで、ギスギスした空気に耐えてきたんだ。それくらいわかる。


「聞いてたのか?」



「す、少し…」



「…そうか」



怒られると思っていたのに、笹河はあたしの頭を撫でてきた。



驚いているあたし。


悲しそうに微笑む笹河。



何を考えているのか、わからない。

前だったら、叩かれてたのに。


どうして…。



どうして、こんなに優しく頭を撫でるの?



どうして…悲しそうに微笑むの?



今まで何をしてたの?



…本当に、あたしのこと好きなの?