「…認めてもらう前に捨てられたら終わりだけどな」

「バーカ」


俯いていた笹河が、携帯を取り出した。

…もしかして!


急いであたしも携帯を取り出した。

間に合って!


静かな公園に響く歌…。
あたしの手の中で。


「………」


「………」



ブチッ。と電源を切って、恐る恐る振り返った。



呆れた顔であたしを見る笹河。


「ち、ちょっとお散歩してまして」


「そんなところで?」


「はい、あたしの最近の…」


「蒼空、本当か」


「すみません…」



携帯をポケットに入れて、立ち上がった。