「また小遣い減らされたいのか」


「…冗談ですよ」


もうっ。
お小遣減らされたら、あたし不良になってやる。



「あ、そうだ」



「何ですか?」



ポケットの中をゴソゴソと何かを探しているみたいだった。



「変なのじゃ…ないですよね?」



不安だ…。
虫とかじゃないよね?



「ほれ」



小さい袋を渡されて、驚いた。


だって…。



「それ…失くすなよ」



指輪。



中を見なくても、ハッキリとわかった。


どういう意味でくれたのかわかんないけど……嬉しい。



「絶対、失くすな」



「…はい」



顔を真っ赤にして、さっさと歩いていく。