優しくて、温かくて。


俯いていると、笹河があたしの唇に指でつついた。


そして、ゆっくりと笹河の唇が近づいてきた。


赤茶色のサラサラの髪の毛が、あたしの頬に軽くあたった。


…キスされた。


笹河の薄くて柔らかい唇が。


あたしの唇と耳と鎖骨にキスの雨。


「え…ちょっおお!!」


予想外の出来事に驚いて、笹河を突き飛ばしてしまった。