「笹河さぁーん!!」


2階から、大声で笹河を呼んだ。


「何だ」


笹河が扉の前にやってきた。

あたしは、笹河を部屋の中に入れた。


「どう着ればいいんですか?」


「…結局、俺がやることになったじゃねぇか」


服の上から、浴衣を着ることにした。


「笹河さんって、女みたいですね」


「は?」


浴衣も料理も掃除も洗濯も。

何から何まで完璧なんだもん。


浴衣を着せてもらいながら、あたしは笹河に質問をした。


「どこかで働いてたんですか?」


「いや」


「…じゃ、実家が何かやってて手伝っていたとか」


「やってねぇ」


笹河は、あたしの頬を指でぶにぶにとしてきた。