笹河は、急に立ち上がって部屋へと走っていった。


「笹河さぁーん?」


「これ、着てみ」


…何すか、これ。

大きな風呂敷を渡されて、開けてみると…。


「浴衣だ」


「売って稼げというやつですか」


「殴るぞ」


これ着て、お祭り行けってことぉ?

嫌だよ、動きにくいし。


「そうか。俺に着させてほしいんだな」


「んなこと言ってませんよ」


渋々、部屋に戻って着替えようとした。




…あ。

そういや、どうやって着るんだろ?


浴衣着るとき、千波に任せてたから…。