「…蒼空」


いつの間にか笹河が、うしろに移動してきた。

あたしを優しく抱きしめてきた。


「大丈夫だ。あの子なら許してくれる」


「でも……でも…っ」


「あとで、電話でもしろよ?謝って、ちゃんと話し合え」


優しい声が車の中に響く。


そうだね。

もっとちゃんと話さなきゃいけなかった。


あたしは、必死に笹河にしがみつく。


じゃないと、怖くて。

安心できなくて。


…助けてほしいんだ。