どこ行ったんだろう。
まさか…出てった…?


「おい…」


「!」


上を見上げると、漫画のように頭にホコリをつけながら天井の板を外して呆れ顔の笹河が出てきた。


「そ、そんなとこに…」


「仕方ねぇだろ。隠れっとこねぇし」


まぁ、そうだよね。

ベッドと笹河が入れそうにないクローゼットがひとつと、丸いテーブルしかないし。


「…男の匂いがする」


げっ。
気づいちゃったよ、この人。


「入れんなって…言ったはずだけど?」


「あの子…男っぽい女の子なんですよぉ」


「ほぉ。じゃあ、今からお前の友達に挨拶しなきゃな」


「いや…」


「いつかばれるんだ。今、挨拶しとけば…」


「ごめんなさい。あいつは、男です」