笹河、どうか見つからないでっ。


千波達は、走って2階に向かった。

そして、物置として使ってあった2つの部屋の右が笹河の部屋。


千波はいきなり、右の部屋の扉を開けた。


―――終わった―――


「…違う。次、左」


「え?」


部屋の中を見渡したけれど、笹河はいなかった。

部屋の荷物もなかった。



あ…れ?



「物置だな」


圭がポツリというと、千波は諦めたのかリビングへと向かった。


…どこ行ったんだろ。


皆が1階に降りるのを見て、また部屋を見渡した。


「さ、笹河さーん…」


小さな声で呼びかけてみたけど、返事なし。