「…どうしよう…」


「どうした?出ないのか?」


笹河を睨みつけて、あたしは笹河の腕をつかんでリビングに戻った。


「とりあえず隠れてください」


「はぁ?」


「いやいや、マジで」


お願いしますよ、ニートの頼みです。

ニート、がんばりますから。


「…俺の願いを聞くならいいぞ」


「聞きたくないけど、わかりました」


笹河を2階の部屋へと押し込んで、玄関の扉を開けた。


「お、おはよう」


皆は、あたしの顔を見ると笑顔になってあたしの頭やら額を叩きだした。


「元気?」


「相変わらず、メイク下手ぁ」


「起きたばっかでしょ」


「寝癖ひっどいねぇ」


「変わってないねっ」


いや、何か悪口も混じってた気が…。