すぐに涙を拭いて、笹河に笑顔でおいしいって嘘をついた。


「俺のも食べてみるか?」


「じゃ、いただきまーす」


一口パクっと食べた。
ユズの味がふわっと口の中に広がった。


「お前、一口がでかいっ」


「あたしのも一口あげるんで、もう一口っ」


「あのなぁ…」


もう一口、ユズアイスを食べた。笹河も大きく口を開けて食べた。


あたしより一口が大きいじゃん!

ムッとしていると、笹河が頬にキスをしてきた。


「…ついてました?」


「いや、あっちのカップルがやってたから真似してみた」


「もうっ」


そんなの真似しなくていいんですっ。

一瞬、やばかったじゃん。