精一杯笑って楽しむよ。
笹河の記憶に残っているように。


「笹河さん、アイス食べましょうよ。暑いし」


「しゃあねぇな」


小さなカフェに入って行くと、人はちらほらといるだけ。

でも、アイスはおいしそうだった。


「あたし、イチゴアイス」


「俺は、ユズアイス」


好きな人と食べると、特別おいしいって言うけど。

好きっていうか…。

それを考えないで言うと。


おいしいとは思わなかった。


涙のしょっぱさが混じって、味がわからなかった。