「さ、笹河さん。あの、何でヤクザになったんですか?」


「前の組長に拾われて、なったわけ」


「組員さん…笹河さんだけなんですか?」


「まぁ…な。組長もたまにしか会えないし。組員は俺だけ」


寂しそうな笑顔で、あたしの腕を離した。


…マズイこと聞いちゃったかな。


「…どうした?」


「手……」


「繋いでほしかった?」


ち、違うけど!

やだ、何言ってんだろ!