汗を拭くサラリーマン。

元気に走り回る子供達。

立ち止まって、おしゃべりをするおばさん達。


「もうすぐ夏休みか?」


「はい。やっとですよ」


「そしたら、また掃除してくれよ」


「はいはい」


食べ終わると、立ち上がって笹河にプレゼントを渡した。


「ん?」


「これ、親が送ってきたお土産なんですけど」


小さな箱を渡した。
その箱の中身には、小さな瓶に海水が入っている。


「また変なのですけど、これを飲むと願いが叶うって」


「…何でも叶うのか…?」


ズキッとした。

何でもって、真由花さんも含めて言ってる?
まだ見たことがない真由花さん。

きっと美人なんだろうな。


「はい」


精一杯の笑顔で。

叶わなければいいのに。


笹河の願いなんか…。