立ち上がって、笹河の隣に。

ジンジンする頬をさすりながら、笹河を睨む。


「目っ!」


「はいはい」


目を閉じる笹河に、憎しみを感じる。

深呼吸をして、笹河の頬に近づいた。


もう唇になんかしてやんないから。


そっと。
軽く…触れるようにキスをした。

すぐに離れようとしたのに。
離れたくないって。

…思っちゃった。


5分くらい。
笹河の頬に唇をくっつけてた。


笹河は何も言わずに、ただじっとしてた。

いつもなら、無理矢理…唇にキスしてくるのに。


安心してもいいはずなのに、がっかりしてるあたしがいる。