「…おいしいっっ」


「だろ?」


「笹河さん、いい奥さんになれますよ」


「奥さんかよ…」


これ、絶対お店よりおいしいって。

笹河は、照れながら食べていた。


「笹河さん、家に毎朝来て朝ごはん作ってくださいよ」


「だから、ここに住むって」


「それは絶対、嫌です。朝ごはんだけ作ってください」


小さく切ったホットケーキを食べようとしたら、お皿を取り上げられた。


「ここに住むなら、毎日お前の好きなもん作ってやるよ」


「ちょっ、それより返してください」


「じゃあ、住んでくださいって言えよ」


はぁ?

絶対、嫌に決まってんでしょ。