「笹河さんこそ、どーなんですか」


「それなりにできるけど?」


「例えば?」


「シチュー、カレー、オムライス、野菜炒めとか。まぁ、もっとできるけどな」


く、悔しい。

あたしにはできないものばかり。


「今度、教えてやるよ」


「マジですか!?」


やったぁ。

本見てもよくわかんないから、ラッキー。


「あ…いい匂い」


焼き始めると、甘い香りがふわっとしてきた。

あー…おいしそう。


柔らかそう。甘そう…。


「ふわっふわっにしてくださいね」


「はいはい」


笹河の服を引っ張って、色々と注文をした。

柔らかく、そしておいしそうにしてと何度も言った。


その度に、笹河は笑いながら聞いてくれた。