あたしは、ゆっくりと起き上がって乱れた服を直した。


そして、立ち上がって出ていこうとした。


「蒼空っ」


「…もう、用はないんでしょう?帰ります」


振り向かずに震える声でつぶやくように言った。


「待て」


「…大丈夫です。明日…学校終わったらすぐ行きますから」


「蒼空…」


「笹河さん、またイチゴのタルト作ってくださいね」


精一杯の言葉。

振り返って、笹河に笑顔を見せる。


あたしなりの最高の笑顔で。