恐いんだよ。

いつもの笹河じゃないから。


いつもって言っても、まだちょっとだけしか知らないけど。


服の中に手が入ってきた。

ごそごそと動く手に、反応してしまう。


「感じてるんじゃ…」


ピタッと、動いていた手が止まった。

ああ、あたしが泣いているからだ。


恐い。


ただそれだけが、あたしの頭の中を支配している。


「…悪い」


あたしの涙を指で拭ってくれても、震えるあたし。