「あっ…美月??」
賢治の声が聞こえたと同時に、一斉に女子たちがあたしを見た。



「美月…?えっ…もしかして…賢治さん…この子と…??」


よけいなことは言わないで…。



「そだよ。俺の彼女。
ごめんな…」

「賢治さん?
彼女…病気って知ってます??」
「病気…?」
「あれっ??知らないって感じですかぁ??
彼女、死ぬかもしれない病気抱えてるンデスよ~」



なんでそんなこと言うのさ!!あたしから言いたかったのに…。


って…賢治の表情が…。


「美月…それ…」
悲しそうな顔してあたしを見ないでよ…。




「こんなとこで喋る話じゃないよ…」
「そだよな…場所変えようか…」



「賢治さん!!
その女と別れたらあたしと付き合って下さいね!いつでも待ってるんで!!」




ある女子の1人が言うと、賢治は一瞬に表情を変えて、

「今なんつった?
別れる??
誰がだよ…ふざけんな。美月以外なんて見えねぇよ…口塞いでろ」
賢治は低い声で、怒ったのは初めてだから、あたしは怯えた。



「賢治…」
あたしは何も言えなかった。
喋るなんて出来ないよ…こういうの…すごく無理だもん…。