「賢治…ありがとう。連れてきてくれて…もう十分だよ…」

「ダメだよ。俺は物足りねぇんだよ…」

賢治はあたしを抱きしめた。

「賢治…」

「美月…俺ん家…来ないか??」

「うん…」

あたしは賢治の思ってることが理解してるようでしていない…あやふやな感じだった。


そして、長い時間運転してくれてる賢治に対し、あたしは寝たふりをしていた。

賢治は泣いてるから…眠れなかった…。



賢治…。
泣かないで…あたしのために…綺麗な涙を流さないで…。