「え、でも……」

 鈴も多郎も、自分を心配してくれているのが分かるだけに戸惑う。

「勿論、体調がよくなったら。日曜日がいいかな」

 香里の迷いを見透かしたように言うので、なら、日曜に皆で行こうよ、と提案してみる。

すると、揚羽は困ったように笑った。

「……二人とも僕のこと、良く思ってないみたいだし、きっと、また反対されちゃうから」

 自分で口に出して傷ついた、という風に目が伏せられる。

香里は、私って何て無神経なんだろう、と自分を殴りつけたくなった。

「ねぇ、香里は僕と出掛けたくない?」

 そう不安げに問いかけられては、返事など決まっている。

「そんなことないよ、日曜ね。楽しみにしてる」

 幸せそうに微笑む揚羽に、香里も、ほっと胸を撫で下ろしたのだった。