「……どんな奴だった?」
「え?何、気になるの?」
「はぁ?別に?」

どうでもいい風に装う。
まぁ、本当のことを言えば、めっちゃ気になる。


「教えなーいっ♪」
「!」

…ほんっと、
いちいちムカつく奴!


「…」
「…?俊介?」


やばいとでもいうような顔をしている俊介。

…?…なんだ?
しかも…目線が俺なんだけど?
顔になんかついてる?

そういう顔をしていると思いきや、
俺の前にいた俊介が、左の方向へ移動した。

…危ないと、口パクで言いながら…


「っ!?…俊…」
「キャァ―――ッ!!」
「なっ!?」

ふと聞こえてくる、女の叫び声。
後ろを振り返ると…

女が全力疾走していた。
こっちに向かって。