チューナーをして、ギターを手にとり
あぐらをかいて座って、
歌詞を書いて、音程を考えて作った
そのときの曲はこんな曲

《環おめでとう
高校一年になって初めてこんなに
しゃべれる人ができた
ありがと
生まれてきてくれて》

全然いい曲じゃない
そんなのわかってたけど
今の神田にとっては
泣けるかな、なんて思って

嘉那の家はしんぷる
赤と白で統一されてる
白が多くて
小物が赤、黄色とか
はっきりしたいろになってるの
ベットだけあえて黒にした




ピンポーン


きた、


「はい」

「神田くんです」

「だれですか?」

「あれ?神田です」

「どうぞ」

「おじゃっまします」

異様なテンションの高さ

「なあ、きかせて?曲」

「いいよ」

「なんの曲やろ」

「しらん」

神田にとって最高の誕生日になりますように、

精一杯うたった

お母さんとお父さんもおもいだして

うたった

神田の曲をうたう前に

親の事を考えてうたったから

涙がでてきた

けど歌った

悲しかった

ほんとうは寂しかった

怖かった

信じられる人はどこ?