『…あのっ
 迷子ってゆうか
 逃げ出して来たんですっ。
 …気付いたら
 こんな知らない所まで
 歩いて来てて
 なんかもう、
 どうすればいいか
 わかんなくって…
 それでっ あのっ』

姉ちゃん話長い…。

「…。逃げたって… 誰から?」

『えっと…
 あのっ
 なんかごめんなさいっ
 知らない人なのに
 なんかいきなり
 こんな話しちゃって。
 あのっ』

「…いいよ
 あたし暇だったし
 知らない人の方が
 話せる事ってあるし。
 姉ちゃん…
 なんか状況が
 あたしに似てるしねっ」


そう言って
あたしは微笑んだ

この人と話してたら
自然と何も考えないですむ。


とりあえず
雨も止んだから
あたしは
姉ちゃんの
長い話を聞きながら
あてもなく歩き始めた。