ソラは淡々と機械的に話しはじめた。


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まず最初に。

皆さんが授業で学んでいた¨碧い星¨ですが、実際は現在も碧いままです。
黒くなってはいません。

しかしながら、このまま私達が生活していけば黒くなるのは確実です。
実際、空気が汚染され空が無いところもあります。

そこで。
¨黒い星プロジェクト計画¨が発足されました。

¨黒い星プロジェクト計画¨とは、幼い頃から¨碧い星¨の大切さを覚えさせる為の計画です。
これから起こることを想定し¨黒い星¨の情報を作ります。
そして、記憶に繰り返し繰り返し¨碧い星¨の美しさや尊さを刷り込むことにより、¨碧い星¨の大切さを忘れないようになります。

刷り込む為に、¨碧い星¨の無い環境を作ります。
幼い頃の記憶は一般的に多くは新しい記憶に塗りかえられ忘れていきます。
念のため、¨碧い星¨については確実に一度忘れて頂くように調整を行います。
忘れた記憶は封印するだけとなりますので戻すことは科学的には可能です。

また、一人一人に刷り込む環境としてホームを与えます。
ホームとは…簡単に言うと外に出れない一人部屋のようなものになります。
情報が途中で本人にもれないようにする為、本人しか入れません。
家族も入れません。
ホームでの家族は、実際の家族を基にデータを作ります。


それらを全て実現可能とした機械がこの箱舟です。


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